saga00’s diary

私は私に憑依される

上手く言えない君が好き

 

「 ○○くんって雨の日の夕方の喫茶店みたい 」

  「 しかもそれを無自覚で誰にでも出来ちゃうよね 」

 

そう言い放つ彼女

冷めたカップの水面が揺れる

 

「 ふふっ、冷めちゃうね 」

 

僕では到底飲めない、苦すぎるであろう飲み物に手をかける

伏せられる長く繊細な睫毛と、落とされる影

さっきの言葉を呑み込む前、僕はその美しさにただ見蕩れた。

 

 

僕だってそこまで馬鹿じゃないよ?多分ね。

だけど正直、未だに僕は君の言ってることの半分も理解出来てない。

だけどね、多分ね、

僕が君にできることって、

肩を貸したり、手を貸したり。僕くらい無責任な言葉の方が、君は素直になれると思うんだ。

それだけは、なんとなくだけどわかるんだ。

 

だからね、いいよ。何度でも言ってあげる。

 

 

 

そうだね。

「 うん、大丈夫だよ 」