不毛とは到底言い難いほどの眩い光
ぼくたちはさもぬけがらのまねをするけど、
こころを掻きむしるほど、
溢れてしまうのは、紅や、蒼の、小さな輝き。
寄り添わないとわからないほど小さく、
触れてしまうとこわれてしまうほど脆く儚げ、
けれど、その眩さと
時として化けるその凶器に
おとなたちは怯え、
拒絶するだろう。
戻ることのないいつかを夢みた一瞬の煌めきを
ぼくたちは明日に怯え、生きているのだから。
それぞれの形
自由を謳うほど、人々はその本質からは遠ざかる
自由とは多様である
反発するものでもなく
人種を、国境を超えて
夜を抱きしめて
真夜中を味方に
今日も私は私を語る
花は踊り小鳥が囀る
微かな灯火に心は静かに揺れ蠢く
語る私を宥めるのは
今日も私は私を語る
真夜中を味方に
夜を抱きしめて
優しい世界
優しい世界と
(私 に) 優しい世界
幻想をどれだけ彩り飾ろうと
我に帰れば、
欲望の掃き溜めという名の泥沼に過ぎず
今日も私は美しい草花と共に踊り続ける
ドロドロ
意識が宙に浮く時間
気が付くといない
記憶を探るほど薄れていく
瞼を閉じると
聞いたことの無い音と色が混じり
黒と蛍光色がうねうねと縁取り形を作る
歪んでいく
渦巻きながら吸いこみながら
瞼を開けると
見えてくるいつもの景色
ッ!
一瞬、こめかみに電流が流れ、痛みが走る
そして私は見た。他でもない
こちらを覗うかのよう微笑み、薄ら笑う
人の姿を模したそれを
乗替列車
「今朝、母が死んだらしい。」
その言葉が、何度も何度も繰り返し巡る。
am6:45
日が昇りはじめる
見慣れぬ服、見慣れぬ髪が風に揺れ
確かに乱反射する薬指に目を細めた
駅を降りると見慣れた場所
過ぎる景色と、振り返るこれまで
踏みしめる歩幅と共に
思い出すには容易すぎる
扉を開けるとそこには
集まる視線と、思わず息を呑む人々
それを背に淡々と目的地へ向かう
長髪が揺れる。
そこには、私の知らない女性の姿と、私の愛すべき母の姿があった。
誰しもがその微笑みに涙するそんな顔立ちと
彼女そのものが歴史だと証明する、痛いけな美しさがそこにはあった
箱を開け彼女に触れる
会場のどよめきと共に、私は今にも折れそうな左手を支えながらポケットに手をかける
待たせてごめんね。
ずっと待っててくれてたんだよね。
でも私こんなんだからさ、また待たせちゃう。
だからこれは約束の証。
必ず迎えに行くから、だからもう少しだけ私と一緒にいてください。
ほんの一時、二人だけの式辞が終わる
その頃にはいつの間にか
会場が静けさに包まれていた
ふと、誰かが言った
「 _____は、生きてる...?」
今日はあなたと私の記念すべき日
そして今日が、私とあなたの
はじまりの日